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体験学習サイクル・経験学習モデル

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体験学習サイクルとは

体験型のチームビルディング研修、リーダーシップ研修、組織づくりでは、体験からの学びを体験学習サイクル(経験学習モデル)に当てはめて説明がされます。体験学習(経験学習)のルーツは20世紀アメリカの哲学者・教育思想家のジョン・デューイに遡るとされ、デューイの学習理論を実務家に分かりやすくモデル化したのがディビット・コルブの体験学習サイクルです。

そもそも学習とは何か?

学習とは、座学研修での学習とは、講師から受講生に対する知識の移転のプロセスです。具体的には「先生が授業で話をしたり黒板に板書したりして生徒に知識を伝え、生徒がノートに書き写し暗記して覚える」という授業プロセスです。

一方でチームビルディング研修など体験学習における学習とは、「経験-内省のプロセスを通じて、経験そのものを変換し、こうしたルール・スキーマ・知識をつくりだすプロセス」(Kolb and Kolb 2009 (中原 2013より))です。つまり体験(経験)をするだけでなく、ふり返りをして個別具体的な経験だけでなく他の状態でも応用可能なスキーム・ルールや知識を得ることが学習であり、一般化された知識を具体的な体験(経験)で活用することに意味があるのです。

座学研修での学習観   → 知識移転のプロセス
チームビルディング研修の学習観→ 応用可能なスキームや知識をつくりだすプロセス

 

体験学習サイクル(経験学習モデル)とは

体験からの学びを分かりやすくモデル化したのが体験学習サイクルです。教育・研修業界では広く知られているコルブが提唱した体験学習サイクルは、体験的学習活動を「体験と内省」「具体と抽象」の2軸で捉え、具体的経験(Concrete Experiences )、内省的観察(Reflective Observation)、抽象的概念化(Abstract Conceptualization)、能動的実験(Active Experimentation)の4象限で循環をさせています。

具体的経験(Concrete Experiences )

  • 自らがとった行動や他者から受けた働きかけなど一連の相互行為であり、学習者に求められるのは体験をして感じることです。
  • チームビルディング・プログラムではアクティビティを起点に考えますが、コルブは特別な非日常から切り離された体験ではなく、日々の営業活動や今日の夕食づくりなど日常業務や日常生活での経験などを想定していました。
  • チームビルディング・プログラムでアクティビティを起点に考えるのは、アクティビティは意図的にデザインされた体験であり、課題のルールや難易度を研修の目的に合わせてアレンジすることで研修で求める気づきが表出する効果がねらえるからです。日常である業務改善を目的とした研修で非日常のアクティビティからの気づきを必要とするのは、メンバー全員が共通の視点で話ができるように切り口をつくるためであり、自ら気づいたことは素直に行動に反映させやすいためです。

具体的経験(Concrete Experiences )

内省的観察(Reflective Observation)

  • 体験での自らの行為や起こった出来事・感情などを体験から離れ俯瞰的多角的にふり返り、出来事など「事実」に対してどのような意味があるか「解釈」をします。
  • ふり返りの対象は、体験の「結果」だけでなく、結果を導き出した「プロセス」を含みます。例えば、今日の料理づくりを内省的観察を行うと、「おいしく作れた」(評価)、「30分で4品作れた」(成果)、「ご飯を炊くのを忘れた」(失敗)などが「結果」であり、「30分で4品」の成果から深堀りをすると、「先にお湯を沸かしておいた」「包丁で野菜を切るのが素早かった」「道具の種類が豊富だった」「途中で宅配便業者が荷物を持ってきた」など結果に関連する行為や結果の周りにある環境(他者や物・空間など)が「プロセス」です。
  • 「結果」と「プロセス」の双方において事実ベースのふり返りと思ったことや感じたことなどの感情ベースのふり返りが重要です。

抽象的概念化(Abstract Conceptualization)

  • 具体的経験を内省的観察をして得られた材料から 一般化、抽象化して他の状況でも応用 可能な知識つまり教訓や持論をつくります。
  • 先ほどの夕食づくりでの例では、「料理で品数を増やすためには、先にお湯を沸かしておくことが大切だ」から料理一般に応用できる知識に広げると「料理では手順を考え行動するこ とが大切だ。」になります。
  • チームビルディング・アクティビティでの抽象概念化では、「アクティビティのやり方」のフェーズで抽象概念化をして完成ではありません。パイプラインでのパイプの持ち方やヘリウムフープでのフラフープの下げ方を学習しても業務で役に立たないので、業務に役立つフェーズに徐々に上げていきます。
    第1フェーズ:同じアクティビティで成果を上げるための方法→ 第2フェーズ:違うアクティビティに活用できること → 第3フェーズ:業務で役に立つこと」です。第1フェーズから第2フェーズに上がる際には視点の切り替えが必要で、第2フェーズから第3フェーズに上がるには第2フェーズで出てきた多種多様な応用可能な知識から業務に合わせて選択をすることが求められます。

タイトル(全角15文字)

能動的実験(Active Experimentation)

  • 抽象的概念化で得た教訓を次の体験で活用します。体験学習では能動的実験は次の具体的体験につながり新たな気づきが得られるため、一般化された知識を活用することに意味を見出しています。
  • チームビルディング研修や組織づくりプログラムでは、プログラム序盤から中盤は第2フェーズを中心に抽象的概念化を行います。それは次のアクティビティ(体験)があり非日常のプログラムで能動的実験から具体的体験へと循環することで、多様な教訓が得られ、また得た教訓の精度が上がるためです。しかし研修プログラムのラーニングサイクルの出口は日常である 後半では、第3フェーズ業務に活用できる知識へと移ってきます。

体験学習サイクルは実務家を意識し普及させる目的で提唱されたモデルのため非常に使いやすく、よく使われる理論モデルです。しかし体験学習だから体験学習サイクルを使うのではなく、デューイやコルブの学習観を理解したうえで、「他の状態でも応用可能な知識」つまり教訓や持論を得て、教訓や持論を次の体験で活用することが肝要です。

そして体験学習サイクルはプログラム中に教訓や持論を得て終わりでなく、日常業務を一つの体験としてふり返り日々サイクルを回し続けることが一番のポイントです。

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