4マス自己紹介のやり方は
ある講座で出てきたQ&A
あるアイスブレイク講座で試しに実施した際、22名の参加者全員で、4マス自己紹介をして40分かかりました。
普通であれば、導入なのでもう少し短くした方がいいです。
特に、時間がタイトな時は、5~10人のグループに分けるのも一案です。
Q.最後の一マスは、どのような意図で、「動物に例えると?」なのか?
A.オールマイティなネタとして選んだ。
何か自分たちに関係にある物にすると親近感が湧く。書くときに悩んでいる人もいるのだが、その人の人柄がでて、聞いていて一番おもしろい。紙をシェア-するだけでなく、発表することで、理由を聞けたり、話し方で人柄が伝わったりする。また、いったん紙に書いておくことで、ハードルが低くなっていく。テーマもなく、書いていない状態で、何か話してくださいといわれても、何を話していいかわからなくなる。長すぎたり、短すぎるすることが防げる。
Q.事前に宿題で書いてきてもらう方がいいのか?その場で直感で書いてもらうのがいいのか?
A.直感の方を薦める。アイスブレイクとしては、直感や思いつきを大切にしている雰囲気をファシリテーターが参加者に伝えることができる。
以前実施した講座の第1テーマではお題を「自分を地域(市町村から県国・・・何でもあり)に例えると」にしてみました。
そこで出た感想は・・・
・「ちょっと困りました。「例えると」とあったので、自分の好きな地域でもないし・・・。ただ、みなさんの話を聞くと、あまりこだわらなくてもいいのかなと思いました。」
お題が難しいと、紙に書いている時間がかかってしまうが、一方で聞いているのは面白いようです。
Q.難易度が低いお題にはどんなのがありますか?
A.植物とかお菓子とかは易しい感じがする。身近なものの方が難易度は低い。動物だと、みんなが知っているものが多いが、「植物」だと詳しくない人もいるので難易度が上がる(時間がかかる) 特定の業界の人には 植物だと身近だ とか みどりの日だから関連性が面白いということもある。
食べ物・動物は簡単
Q.難易度が高いお題はどんなのがありますか?
A.種類を区切らないことで、高くなる。
動物、植物をひっくるめて、"生物"にすると少し難易度が上がる。
例えるものと自分とを比較して類似点を見つけようとするので、普段、自分(人)に例えないような"建物"ものは難しい。つまりそのグループ(人)と関連づけにくいものは難しい。
関連づけるのは、本人の経験に属するので、大人には簡単なお題でも、経験の浅い子どもには、難しくもなる。
Q.人数が多い場合はどうしたらいいのでしょうか?
A.全員を知ってほしいという場合は、全員でやるのもいいのですが、時間がかかります。
時間との兼ね合いで、10人ぐらいのチームを分けてもよい。
Q.スクール形式で研修をする場合、円にならないで、1人ずつ演題に出てきてもらい発表してもらうのはどうか?
A.発表者と他の人が対峙する形になるので、全員の注目を集めているのが見えてしまい、緊張してしまう。アイスブレイカーにはならない。
机を取っ払えないのであれば、みんなに内側を向いてもらい、発表者にはその場で立ってもらう方が安心できるのではないか。発表し終えたらトーキングオブジェクトを投げて次の人に回してもらう。
全員を知るということに重きを置かないのであれば、机を挟んで向き合える4~6人ずつで行うのもよい。そのチームを入れ替えていくのもいいかも。
Q今の気持ちを答えてもらうときに、同じような答えが続いたらどうしたらいいのですか?例えば小学生だと、前の子が「ドキドキしています」と答えると、次の子も「ドキドキしています」となってしまう気がします。
A.前の人をまねして、2人目も同じ「ドキドキ」と続いてきたら、その子に「ドキドキってどんな気持ち?」と質問してみるのもいい。そうすると他の子も前の子と同じ答えをしても聞かれるなと察するので、答えがばらける。
それぞれ紙に書く時に、全員が書ききるまで相談や見せ合うことをさせなければ、同じ答えが続くことは少ないでしょう。
小学生低学年ぐらいの子どもを対象に行うときは、ファシリテーターがじっくりと話を引き出してあげる。「どうして○○なの?」「○○ってどういうこと?」
無理に"私を○○に例える"という問いにしなくてもいい。
ポイント
テクニック!
- 長く語る人がいる可能性がある場合、後ろの予定が詰まっている場合は、時間で区切ってしまう。初めの段階で、「□分でお願いします。」と言ってしまい、時間が来たら、本当に切ってしまう。
- 何をお題に入れるか?
次に何をするのかによって変えることもある。次にすることが、自分の意見をどんどん出していくような、ブレインストーミング系の会議である場合は、難易度の高いものにする。難しいお題で、いろいろ考えることで、頭のウォーミングアップにもつながる。反対に、しっかりと枠組みを作りたい、あまり騒がしくならない方がいいような場合は、身近な容易なお題にする。
このような次に何をするのか、そのためにこのアイスブレイカーでどのような状態を作りたいのかという視点で、お題を決めるのもよい。
- お題をえらぶ意図
なぜ、この自己紹介をやるのかの意図を持って、お題をえらぶ。
呼ばれたい名前…呼ばれたい名前でコミュニケーションを自然ととりやすくする。名札に書かれている名前で呼んでいいのか、なんて読むのか心配せずコミュニケーションをとってもらう。
今の気持ち…ファシリテーターにとって、ここに参加しているメンバーの状態を把握するための質問。⇒体を動かす系のアクティビティをやる場合、飲み過ぎた人や体調の悪い人はいないかなどのチェックにもなる。
参加動機…その人がなぜ今日、参加したのかが分かると、その後のプログラムの構成を変えることもできる。
私を○○に例えると… 自己開示をしてもらう。自分がどういう人なのか、そのまま発表してもらうのは、照れてしまう人も多いが、例えることで自己開示をしやすくする。
目的に合わせて、部署や所属、出身地などファシリテーターや参加者同士が知りたい情報を入れるのもよい。
失敗
- 輪になったときに、参加者から始めてしまった。最初の人が紙に書いてあることをただ読むだけだったのをそのまま続けてしまったら、背景や理由が語られず、すごく早く終わってしまった。
※ファシリテーターがロールモデルをすることで、参加者に話す長さ・内容の意識付けを無意識に行うことができる。
※ファシリテーターの意図と違う行動が出てきたとき、そのまま流してしまうと、違う行動が参加者全体に広がる。意図に沿うようにするためには、違う行動が出てきたその時に、修正する必要がある。
※1分間でお願いします。と言っておきながら、1分を経過した後もずっと止めないでおくと、それ以降ずるずるとみんなに時間を延ばすことになる。 1分で終わらない人が出てきても、そこで「はい!1分です。これぐらいが1分ですので、みなさん覚えておいてくださいね。」と言って、次の人に回してしまう。
または、時間を「あと、15秒だけあげますので・・・」と時間を伝えて延長させてもよい。
時間を厳しく管理することで、その後のプログラム・アクティビティでも”このファシリテーターはルールに厳しいんだ”という意識付けにもなる。
バリュエーション
そのほかにも、紙のないパターンだと
呼ばれたい名前、今の気持ち、参加動機の3つだけを言っていってもらう方法もあります。
今から、3つの内容で自己紹介をしてもらいます。
呼ばれたい名前、今の気持ち、参加動機 について順番に話していってください。
テーマがあることで、短時間でみんなが知りたいことをコンパクトにまとめて紹介することができます。